葬儀をするには霊柩車の存在が重要になります。なぜならこの車で火葬場まで移動する必要があるからです。その車は火葬場まで移動するためだけに使用されて、それ以外の用途では使われません。亡くなった病院や自宅から会場までの移動などは寝台車が使用されます。
この車は最初からオーダーメイドで製造されているわけではなくて、既存の普通の車を改造して作られます。改造では後部部分の車体を切断してそこに新たに構体をくっつけて改造されます。この霊柩車は日本では宮型と洋型の2種類に大別されます。
宮型というのは昔に使用されていたタイプで外観が派手な装飾と塗装で出来上がっています。対して洋型というのは派手な装飾や塗装は行われていません。かつては宮型が主流でしたが、近年の日本は火葬場近くの住民が宮型が通過することに対して苦情を多発したこともあり、派手に行うことを忌み嫌われています。
それゆえほとんど洋型になっています。その洋型の霊柩車も徐々に細かい部分で変化を遂げてきています。最初のころは後部座席がなくて喪主が助手席にしか乗れないのが大半でしたが、現在ではリムジン型と呼ばれるタイプが増えてきています。
これにより喪主を含めて最大4人の遺族がこの車に乗車できるようになっています。また塗装もかつては黒色一色しかありませんでしたが、現在ではまだ少数派であるものの白色など黒色以外の車も増えてきています。しかしこの車での移動は往路の火葬場までしか利用できません。
復路の火葬場から会場までの移動では遺族たちは他の遺族たちが乗ってきたマイクロバスに乗り込んで戻るか、タクシーをチャーターするかなどしなければなりません。