身内が亡くなった後に、玄関先に忌中と書かれた張り紙をすることが、一昔前では当たり前のこととなっていました。通夜や葬儀の日程が決まり、その日程や時間などを記載して真ん中に忌中と書いた紙ですが、現在では家で身内が亡くなったということや、その最中ということを近所などに知ってもらうために張り出しています。
貼っておく期間は従来では四十九日の忌明けまででしたが、時代の変化に伴い近年では貼らないケースも増えています。貼った場合でも、葬式が終了したらすぐにはがすケースが大半です。貼らなくなったり直ぐにはがす地域や場所が増えた理由としては、周りにわざわざ知らせたくないという人が増えたことや、親戚や友人をはじめ、様々な人と簡単に連絡が取れるようになったことで、わざわざ知らせる張り紙をする必要がなくなったということが一つです。
しかしそれ以外にも防犯という意味もあります。張り紙をしていると、通夜や告別式の日程や場所がわかるので、自宅で葬式を執り行わない場合には、自宅を留守にする日時を周りに教えてしまっているということにもなり、防犯面で考えるとかなり危険ということは確かです。安全性を考え貼らないのは、時代の流れ上当然といえます。