昔から葬儀というのは一種の穢とみなされています。生が陽であるのならば、死は陰とみなされるため、扱いには注意が必要です。そのため、葬式から返ってきたら、穢れを祓うために体を清める必要があります。そのまま家に入ってしまうと、穢を持ち込むことになるので、あまり好ましくないからです。
では、どうやって穢れを祓うのでしょうか。それは、お塩を使って穢れを祓います。香典返しには、小さな袋に入った塩が付属している場合があります。それを汚れを落とすために用います。このお清めの儀式は、家の玄関をまたぐ前に行わなければなりません。
玄関の前で塩を手に取り、胸や肩にパラパラとふりかけます。その後、手で塩を払うことで、汚れを落とすことになります。もし、香典返しに塩が付属していない場合には、家族にその役割をお願いするようにしましょう。体の前と後ろに塩をかけてもらい、それを自分で払います。
お葬式の後の穢れを祓う儀式というのはいつの間にか習慣化され、定着しました。今では一人暮らしの人も増えていて、帰宅後に家族に穢れを祓ってもらえないケースも増えています。そのため、香典返しには必ず塩の小袋が付属するようになり、自分で穢れを祓えます。